フィジーク等のボディコンテスト出場の極意【計画から最終調整まで】

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こんにちは! パーソナルジムWAPLEの植杉です。

昨今のフィジークやスポーツモデルといったボディコンテストの人気は目を見張るものがあり、これを目指してトレーニングを始めたという人も年々増えています。

とはいえボディコンテストというと「減量が過酷」「初心者には難しいのではないか」「計画の立て方がわからない」などなど、いろいろな疑問や不安が出てきて一歩を踏み出せない人も多いでしょう。

そこで本記事では、数々のコンテストで優勝してきた筆者がフィジークをはじめとするボディコンテスト出場に向けた一連の流れ(計画〜最終調整)を詳しく解説していきます。


初めてコンテストに出場する人や、コンテストに挑戦したもののイマイチやり方がピンとこなかったという人は必見です。


【筆者】植杉大樹

【筆者】
Waple浦和美園店
植杉 大樹(うえすぎ だいき)

【大会実績】
2018年 NPCJ athlete model 優勝
2019年 NPCJ Physique 優勝
2023年 SSA Physique 優勝
2023年 SSA Physique PRO 優勝


①計画を立てる

①計画を立てる

フィジークにしろボディビルにしろ、コンテストに挑戦する場合は前もって計画を立てていく必要があります。 見切り発車で減量や増量を進めてしまうとコンテストに適したコンディションを作れなくなるため要注意です⚠️

コンテストに向けた計画は以下のような手順で行います↓  

①出場するコンテスト(または目安の時期)を決める
②現在の体のコンディションを把握する(筋肉量や体脂肪率)
③出場の時期から逆算して減量の期間を決める
④減量の進捗に応じて必要な措置をとる(チートや有酸素運動の導入など)
⑤コンテスト2週間前を目安に最終調整に入る
⑥コンテストを振り返る

このような手順でステージに向けて準備をしていきます。
目標とする日から逆算して減量ペースを定め、状況に応じて食事や運動の手札を出していくイメージです。

そしてコンテストの2週間前には除脂肪を終えて身体の張りを取り戻す(=最終調整)作業を経て最高のコンディションでステージに立ちます。

初めてのコンテスト挑戦の場合は、過去のデータがない分より一層綿密な計画が求められます。 それでは上記の各フェーズをそれぞれ詳しく解説していきます。

1.出場するコンテスト(または目安の時期)を決める

①出場するコンテスト(または目安の時期)を決める

まずは出場するコンテスト(部門や時期)を決めていきます。
部門を決めれば目標とするコンディション(筋肉量や体脂肪率)を定められ、それが決まれば増量や減量に必要な期間の予測も可能になります。

コンテストには様々な団体や部門があり、それぞれ特色があるのでまずはどんな部門に出たいかをじっくり検討しましょう。 国内の主要な団体は下記のとおりです。

◆サマースタイルアワード 
◆APF
◆FWJ
◆NABBA
◆JBBF  

団体によって競技種目や規模感、ポージングをはじめとする諸々のルールが異なります。
初めてのコンテストの場合はAPFやサマースタイルアワードは比較的初心者でも出やすい部門があるのでオススメです。

 

2.現在の体のコンディションを把握する

②現在の体のコンディションを把握する

フィジークやスポーツモデルのようなコンテストに出る場合は最初に現在のコンディションを知ることから始めます。

ここでいうコンディションとは筋肉量や体脂肪率を指します。

ボディコンテストは部門によって求められる身体が異なるため、自身の現状が出たいコンテストで求められる身体に対してどこまで適しているのか、どのくらいの期間で到達できそうかの予測を立てることから始めます。

筋肉量や体脂肪率は体組成計で測定し、減量の進み具合を把握するためにも2~4週間に一度は測定していくと良いでしょう。 ※体組成はジムや体育館にある、両手両足に電極を当てて測定するタイプが最も正確性が高いのでおすすめです。

例えばメンズフィジークに出る場合、体脂肪率は6%前後までは落とす必要があります。
もしも体脂肪率が20%の人がフィジークで評価されうる身体を作るには20%⇨6%まで体脂肪を落とすという計画を立てることになります。

 

3.出場の時期から逆算して減量の期間を決める

③出場の時期から逆算して減量の期間を決める

現在のコンディションを把握できたら、出場する時期から逆算して減量や増量の期間を定めましょう。

例えば体脂肪率20%の人が5ヶ月後のフィジークに出たいとなった場合は単純計算で1ヶ月に3%弱の体脂肪率減を目指すことになります。

そしてもう一つ、現在の体脂肪率から出場する時期を決める方法もあります。
現在体脂肪率20%なので、1ヶ月で2%ずつ落とすと見込んで7ヶ月後に出ようと決めるイメージです。

なお、体脂肪率の減少は1ヶ月あたり1~3%程度が限度であるため、これ以上のペースで減らさなければ間に合わないコンテストを選ぶのはオススメできません。 ※急激な減量は筋肉量減少や精神的疲労にリスクが大きくなります。

 

②減量の進捗に応じて必要な措置をとる

④減量の進捗に応じて必要な措置をとる

現状の把握と目標設定が完了したらいよいよ減量開始です。

減量1ヶ月目は水分量や食事量の減少により想定よりもやや早いペースで体重が落ちることがありますが、2ヶ月目以降は概ね計画通りのペースで進んでいるかを都度振り返りましょう。

もしも計画とは異なる推移を辿っている場合はケースに応じて適切な処置をとりましょう。
以下に減量時に発生しやすいイレギュラーの例をいくつかまとめます。

1.過度なペースでの体重(筋肉)減少

1.過度なペースでの体重(筋肉)減少

基本的に筋肉量を維持しながらの減量は1~3kg/月のペースが望ましいですが、それよりも明らかに早いペースで体重が落ちている時は体脂肪だけでなく筋肉も減少している恐れがあります。

見た目の筋肉量の減少やパワーダウンが急激に見られるようになった場合は筋肉量減少のサインです。

この場合はアンダーカロリーの幅が大きすぎる恐れがあるので摂取カロリーを+100kcalほどにして様子を見ていくと良いでしょう。

2.急激なパワーダウン

2.急激なパワーダウン

減量中は常にアンダーカロリー&体重が軽くなっていくので徐々にトレーニングの使用重量は下がっていきます。

ただし、ビッグ3種目をはじめとするパワー発揮に適した種目の使用重量が月に5kg以上落ちる場合は要注意です。

急なパワーダウンには「急激な体重減少」「疲労」「栄養不足」が要因になるケースが目立ちます。

パワーダウンを感じた時は上記の要因から当てはまるものがないかを確認してみましょう。
特に疲労は減量中に気づきにくいため、トレーニングの質で疲労度を把握できるようになると上手に減量できるようになっていきます。

3.停滞期

3.停滞期

減量やダイエットで誰しもが経験する停滞期も見逃せません。
停滞期は3週間程度にわたって体重や見た目の変化がないことを指します。

停滞期自体は誰にでも当たり前に訪れるものですが、それによって精神的に追い詰められて過度なカロリー制限や暴食に走ってしまうと計画が破綻する恐れがあります。

もしも停滞を感じた場合はチートデイカーボリフィードなどを用いて一時的に栄養を多く取り込んでみましょう。

なお、精神的余裕や期間的余裕がある場合は特に何も変えずに停滞期が終わるのを待つという方法もオススメです。(これが最もリスクの低い手法でしょう)

 

③コンテスト2週間前を目安に最終調整に入る

⑤コンテスト2週間前を目安に最終調整に入る

長きにわたる減量もいよいよ終盤です。

体脂肪を落とす期間(=除脂肪期間)はコンテストの2週間前までに終わらせられるのが理想です。
除脂肪が終わったら最後の仕上げとして摂取カロリーを増やして糖質や脂質を取り込むという期間を作ります。

長期の減量で肝臓や筋肉のグリコーゲン(筋肉のハリに関係する)の減少や疲労が溜まっているのでそれらを解消する期間として2週間を過ごします。

この期間の摂取カロリーは概ねメンテナンスカロリー付近を目安にすることで変に浮腫んだり体脂肪が増えるリスクを抑えます。 ※メンテナンスカロリーはTDEEで計算可能です。

コンテスト直前までハードに減量したり、前日に大量の食事を摂る(=カーボアップ)といった手法もよくみられますが、いずれもコンテスト当日のコンディションを崩すリスクがあるのでまずは2週間前までに除脂肪を終えて、そこから徐々に栄養を取り戻す方法が安全です。

 

④コンテストを振り返る

④コンテストを振り返る

無事にコンテストを終えたら振り返りの時間です。
会場でジャッジにフィードバックをしてもらったり、自身で動画を見返して良い/悪い点を洗い出して次への道標としましょう。

「筋肉量やバランスは適切か」 「除脂肪は十分だったか」 「しっかりパンプアップしていたか」 「ポージングは決まっていたか」

上記のように様々な視点で振り返ってみましょう。
ここで見えた課題をオフ期間のトレーニングや来期の減量やステージに活かせば大きな飛躍につながります。

⑤ボディコンテストは計画を立てて挑もう

⑤ボディコンテストは計画を立てて挑もう

本記事での解説の通り、フィジークやスポーツモデル等のボディコンテストに出場するには計画的なからだ作りが必須です。

見切り発車で進むのではなく、自身の現状と目標とのギャップを把握し、計算しながら挑んでいきましょう。

日々の体重やトレーニング、食事の記録をつけていけばいつか自分のボディメイクのガイドラインが出来上がっているでしょう。

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